宇都宮乳児院で説明を受ける参加者

10月26日、民進党男女共同参画委員会・青年委員会共催により宇都宮市内にある「宇都宮乳児院」および「栃木県中央児童相談所」へ視察を実施。栃木県連役員および友好議員、さらには政治スクール生ら15名が参加した。

はじめに、宇都宮乳児院を訪問し、松本栄院長より乳児院の事業活動について説明を受けた。

乳児院は、家庭での養育が困難で社会的養護が必要と判断された乳幼児を入院させ養育し、併せて退院後も相談や援助を行うことを目的として設置された施設。

栃木県内には宇都宮市、佐野市、小山市の3ヵ所にあり、宇都宮乳児院は昭和26年に設置され、本年で業務開始から66年を迎える。また、一昨年には「児童支援家庭センター・にこにこ広場」が併設され、市町からの求めに応じた技術的助言を行い、地域の児童、家庭福祉の向上を図るとともに虐待予防や子育て等に関する相談事業も担っている。

現在、宇都宮乳児院には0歳から概ね3歳までの乳幼児60名が入院しており、77名の職員が2交代制で業務にあたっている。

松本院長は「社会環境が大変複雑になり、親がありながら養育困難な状況へと変化している。虐待が増加している社会の中で、家庭にいることが子どもにとって本当に幸せなのかと考えさせられる時代」とし、「まずは社会を変えていかなければ何も変わらない。乳児院が担う役割を地域社会に情報発信し、子どもたちを地域全体で見守ることを本気になって考えていかなければ問題は解決しない」と強調した。

また、児童家庭支援センターの小野沢センター院長は行政との関わりについて「乳児院に入院すると行政との支援が途切れてしまう」と問題点を指摘し、「子どもたちが家庭に戻ることを考えると入院から退院後まで行政と連携し、その家庭にとって必要な切れ目のない支援が重要」と訴えた。そしてこれからの支援体制について「職員の専門性を活かし、保護者の拠り所になれる場所、子どもが楽しく安心して遊べる場所の環境づくりを徹底し、母子のニーズに沿った対応を行っていく」と語った。

その後、栃木県中央児童相談所に移動。

児童相談所の基本的な機能は、①相談、②一時保護、③措置、④市町村援助の4つだが、相談機能が最も重要であるという。益子照雄所長は相談員について「相談者が一番初めに話すのが相談員。そこでの関わり方によって以後の状況が変わってしまうほど重要」と述べた。

県内に3ヵ所ある児童相談所の相談件数は年々増加し、昨年度は5,000件超。その中でも児童虐待に関する相談が1,119件と知的障害に次いで多いことが報告された。

参加者から市町との連携について問われた益子所長は「早期発見や未然防止策など、虐待の初期段階で関わりを持ってほしい」と指摘した。また、「市町の役割の中で相談員のスキルアップを行い、その研修を現場で生かしてほしい」と連携を求めた。

視察後、参加者は意見交換を実施。乳児院および児童相談所で説明を受けた中で、虐待の報告が増加していることについて「母親が孤立し、助けを求める場所がない」、「数字として表れているのは氷山の一角。声を出せない母親、助けを求められない子供がもっとたくさんいる」と意見が出た。

また、行政や地域との関わり方にもふれ「地域包括ケアシステムのように地域で見守ることが重要」、「地域にいる高齢者や子育ての先輩など、親と子、両方が頼れる場所の提供を行政とともに構築していくことが必要」と市町と密に連携を取り一貫した支援ができる体制づくりにも言及。問題の解決に向けて、今後、NPO等・行政・民間事業者などが分担し活動しているモデル事業の視察を実施することが提案された。

 

《参加した県連役員、友好議員》田城郁副代表、渡邉典喜1区総支部長、松井正一県議、平木ちさこ県議、船山幸雄県議、山田みやこ県議、中塚英範宇都宮市議、阿部和子日光市議、落合誠記壬生町議、青木美智子小山市議

栃木県中央児童相談所で説明を受ける参加者

意見交換を行う参加者