10月13日(土)、民主党栃木県連は『人口減少社会における栃木県の地域活性化戦略』と題した勉強会を宇都宮市内で開催した。
講師として演壇に立った(株)日本総合研究所調査部 主席研究員・藻谷浩介さんの1時間半にわたる講演に、地方議員をはじめ約30名の参加者は熱心に聞き入った。
藻谷氏は、国内市町村の99.9%を巡歴し、地形・交通・産業・人口動態・通勤通学動態・郷土史等を詳細に把握。先入観や思い込みを一切除外し、誰でも入手できる様々なデータから読み取った数字をもとに比較、検証する講演内容は大変好評で、これまでの講演、パネラー、TV出演等は累計4,000回を超える。

この日の講演も具体的に栃木県内で起きている人口動態を細かく説明した上で、生産年齢人口の減少と高齢者の増加を示した。
結果的に生産年齢人口の減少が、経済縮小に繋がるとし対処策に次の3点を挙げた。
(1)生産年齢人口が減るペースを少しでも弱める、(2)生産年齢人口に該当する世代の個人所得の総額を維持し増やす、(3)生産年齢人口と高齢者の個人消費の総額を維持し増やす。

さらには、対日貿易で黒字となっている数少ない国を挙げ、これらの国を見習い、少量生産で高単価の地域ブランド商品の流通促進を図るべきとした。
加えて、高齢者の貯蓄やアジアで増える中上流階級層をターゲットとしたモノやサービスを売る商売への脱皮、中高年の退職に伴い減った人件費で若者の給与を上げ、女性を再雇用し、国内の内需を維持・高度化することが経済縮小への歯止め策であると講演した。

時折、参加者へのクイズ形式も交え、持論ではなく客観的なデータに基づいた細かな分析による藻谷氏の解説は、参加者全員を引き込み、納得させる内容であった。

主催者あいさつに立つ福田昭夫衆院議員と参加者

講演する藻谷氏